こんにちは。
那覇市の不動産売却専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。
不動産の売却では、売買価格だけでなく、固定資産税、登記費用、仲介手数料、住宅ローンの返済など、さまざまなお金の精算が必要になります。
なかでも、売主様と買主様の間で認識の違いが生じやすいものが、固定資産税の精算です。
今回は、那覇市で不動産を売買した場合の固定資産税について、2026年8月現在の情報をもとに分かりやすく解説します。
結論|売却した年の固定資産税は1月1日の所有者が納めます
固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日現在、土地や建物を所有している人です。
例えば、2026年6月に不動産を売却して買主様へ所有権を移転しても、2026年度の固定資産税を那覇市へ納める義務があるのは、2026年1月1日時点の所有者である売主様です。
年の途中で所有者が変わっても、その年度の納税義務者が買主様へ変更されるわけではありません。那覇市も、1月1日現在、市内に土地・家屋・償却資産を所有している人を納税義務者としています。(那覇市公式サイト)
そのため、不動産売買の実務では、引渡し日以降の固定資産税相当額を買主様から売主様へ支払う「固定資産税精算」が行われています。
固定資産税の精算は法律上の義務ではありません
固定資産税を日割りで精算しなければならないという法律上の決まりはありません。
固定資産税精算金は、売主様と買主様が、所有期間に応じて負担を調整するために行う私人間の金銭の受け渡しです。
したがって、固定資産税を精算するか、いつを起算日とするか、引渡し日をどちらの負担にするかは、売買契約書で明確に定めることが重要です。
売買契約書に固定資産税精算の条項を設けた場合には、その契約内容に従って精算することになります。
那覇市では都市計画税が課税されていません
一般的な不動産売買の説明では、「固定資産税・都市計画税を精算する」と記載されていることがあります。
しかし、那覇市では現在、都市計画税は課税されていません。したがって、那覇市内の不動産売買では、通常は固定資産税のみを日割り精算します。(那覇市情報)
ただし、那覇市以外の市町村にある物件では都市計画税が課税されている場合があります。物件所在地の市町村や納税通知書を確認する必要があります。
固定資産税精算金の計算方法
固定資産税精算金は、一般的に次の計算式で算出します。
年間の固定資産税額÷365日×買主様の負担日数
うるう年は366日で計算します。
起算日については、1月1日を起算日とする方法と、4月1日を起算日とする方法があります。法律で統一されているわけではないため、売買契約書に記載された起算日を確認しなければなりません。
また、一般的には次のように分けます。
- 売主様の負担期間:起算日から引渡し日の前日まで
- 買主様の負担期間:引渡し日から精算期間の最終日まで
計算例
次の条件で計算してみます。
- 年間固定資産税額:12万円
- 起算日:2026年1月1日
- 引渡し日:2026年9月1日
- 引渡し日から12月31日まで:122日
計算式は次のとおりです。
12万円÷365日×122日=約4万110円
この場合、買主様が売主様へ支払う固定資産税精算金は、約4万110円です。
1円未満を切り捨てるのか、四捨五入するのかについても、精算書や契約書で統一しておくと安心です。
買主様が那覇市へ直接支払うわけではありません
固定資産税精算金について、買主様が売主様の固定資産税を代わりに那覇市へ納めると誤解されることがあります。
しかし、買主様が支払う相手は通常、那覇市ではなく売主様です。
那覇市に対する納税義務者は、あくまでも1月1日現在の所有者です。
そのため、売主様が固定資産税を分割納付している場合、売却後に納期限を迎える納付書についても、原則として売主様が支払います。
買主様から固定資産税精算金を受け取ったからといって、売主様の那覇市に対する納税義務がなくなるわけではありません。
令和8年度の那覇市固定資産税の納期限
那覇市では、令和8年度の固定資産税納税通知書を2026年4月1日に発送しています。
納期限は次のとおりです。
- 第1期:2026年4月30日
- 第2期:2026年7月31日
- 第3期:2026年12月25日
- 第4期:2027年3月1日
固定資産税の税率は1.4%です。(那覇市公式サイト)
売却後も納付書が売主様の手元に残っている場合は、納期限を忘れないよう注意しましょう。
1月から3月に引き渡す場合の注意点
1月から3月に不動産を引き渡す場合、その年の固定資産税額がまだ決定していないことがあります。
那覇市では令和8年度の納税通知書を4月1日に発送しているため、それ以前の引渡しでは、令和8年度の正式な税額を確認できません。(那覇市公式サイト)
この場合には、主に次のいずれかの方法で精算します。
- 前年度の税額をもとに精算し、後日の再精算は行わない
- 前年度の税額で仮精算し、納税通知書が届いた後に再精算する
- 納税通知書が届いた後に、売主様と買主様で精算する
どの方法を採用するかは、必ず売買契約書や覚書に記載しておきましょう。
口頭だけで決めてしまうと、正式な税額が分かった後にトラブルになる可能性があります。
固定資産税精算金は売買代金の一部として扱われます
税務上、固定資産税精算金は、買主様が地方公共団体へ納める税金ではありません。
国税庁は、売主様と買主様の合意により支払われる未経過固定資産税相当額について、「不動産の譲渡対価の一部を構成するもの」としています。(国税庁)
そのため、売主様が受け取った固定資産税精算金は、譲渡所得を計算する際の収入金額に含める必要があります。(国税庁)
例えば、次のような取引があったとします。
- 売買代金:2,000万円
- 固定資産税精算金:10万円
この場合、譲渡所得を計算する際の収入金額は、原則として合計2,010万円になります。
固定資産税精算金を税金の返金と考え、売却収入から除外しないよう注意が必要です。
消費税が関係する場合があります
固定資産税精算金が不動産の譲渡対価の一部になるため、売主様の立場や物件の用途によっては消費税の検討も必要です。
ただし、すべての不動産売買に消費税がかかるわけではありません。
一般的な個人が、自宅や事業に使用していない土地・建物を売却する場合は、通常、消費税の課税対象にはなりません。
一方、消費税の課税事業者が、賃貸マンション、アパート、店舗などの事業用建物を売却する場合は、建物部分が消費税の課税対象になることがあります。
土地の譲渡は消費税が非課税で、建物部分が課税対象です。土地と建物を一括して売却する場合は、売買代金や固定資産税精算金を合理的に土地と建物へ区分する必要があります。(国税庁)
収益物件や事業用不動産を売却するときは、事前に税理士へ確認することをおすすめします。
買主様側では取得価額に含まれることがあります
買主様が賃貸アパートなどの収益物件を購入した際に支払った固定資産税精算金は、購入した年の必要経費として全額を処理できるとは限りません。
国税庁は、賃貸用アパートの購入時に支払った固定資産税等の精算金について、物件の取得価額に算入するとしています。(国税庁)
収益物件を購入する場合は、土地と建物への按分や減価償却にも関係するため、税理士へ確認しておくと安心です。
固定資産税精算でよくある失敗
1.固定資産税精算金を売却収入に含めていない
売主様が受け取る精算金は、税務上、譲渡対価の一部です。
確定申告の際に計上漏れがないようにしましょう。
2.買主様が那覇市へ直接納めると思っていた
買主様が売主様へ精算金を支払っても、那覇市へ固定資産税を納めるのは1月1日現在の所有者です。
売主様は、残っている納付書を処分しないよう注意してください。
3.前年度の税額で精算した後の扱いを決めていない
1月から3月の引渡しでは、前年度の税額を使うことがあります。
正式な税額が判明した後に再精算するのか、再精算しないのかを契約書に明記しましょう。
4.納付済みの金額だけで計算してしまった
固定資産税精算は、売主様がすでに納めた金額だけではなく、原則としてその年度の年税額をもとに計算します。
分割納付の途中であっても、年間の固定資産税額を確認することが大切です。
5.起算日や引渡し日の負担者を確認していない
起算日を1月1日とするか4月1日とするか、引渡し日を売主様と買主様のどちらの負担にするかによって精算金額が変わります。
契約前に計算条件を確認しましょう。
まとめ|固定資産税精算は契約書と精算書で明確にしましょう
那覇市で不動産を売買した年の固定資産税について、重要なポイントは次のとおりです。
- 固定資産税の納税義務者は1月1日現在の所有者
- 年の途中で売却しても納税義務者は変わらない
- 引渡し日以降の固定資産税は買主様から売主様へ日割り精算するのが一般的
- 固定資産税精算は法律上の義務ではなく、売買契約に基づいて行う
- 那覇市では現在、都市計画税は課税されていない
- 固定資産税精算金は税務上、売買代金の一部として扱われる
- 収益物件や事業用物件では消費税や取得価額にも注意が必要
固定資産税の精算は、一見すると単純な日割り計算に見えます。
しかし、起算日、引渡し日の扱い、前年度税額による仮精算、消費税、譲渡所得など、確認すべき点は少なくありません。
ビクトリー企画株式会社では、売買契約を締結する前に固定資産税の納税通知書や課税明細書を確認し、売主様と買主様の双方が納得できるよう精算内容をご説明しています。
那覇市で不動産の売却をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
不動産は、売る前より「売った後」が大事です。
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※本記事は2026年8月現在の制度および公表資料をもとに作成しています。個別の税務判断については、税務署または税理士へご確認ください。

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