
こんにちは。
那覇市の不動産売却専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。
不動産売却では、
「いくらで売れるのか?」
という売却価格に目が向きがちです。
しかし、売却後のことまで考えるなら、もう一つ重要なのが、
「売ったあと、税金や諸費用を差し引いていくら手元に残るのか?」
ということです。
同じ3,000万円で不動産を売却しても、
- いつ購入したのか
- いくらで購入したのか
- マイホームなのか
- 相続した不動産なのか
- 何年間所有していたのか
- どのような売却費用がかかったのか
- 税制上の特例を利用できるのか
によって、税金は大きく変わる可能性があります。
今回は、那覇市で土地・戸建住宅・マンションなどの不動産売却をご検討中の方に向けて、2026年8月現在の不動産売却に関する税金と、売却前に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
不動産を売ったら「売却代金全額」に税金がかかるわけではありません
まず、ここを理解しておきましょう。
例えば、不動産を4,000万円で売却したからといって、4,000万円全額に譲渡所得税がかかるわけではありません。
土地や建物を売却した場合の譲渡所得は、基本的に次のように計算します。
譲渡所得=売却代金-取得費-譲渡費用-特別控除
取得費とは、その不動産を購入したときの購入代金や購入手数料などです。
譲渡費用には、売却するために直接かかった仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、一定の建物解体費などが含まれます。
つまり、税金を考えるうえで大切なのは、
「いくらで売れたか」ではなく「売却によっていくら利益が出たのか」
ということです。
不動産売却で主に関係する2つの税金
一般的な個人の不動産売却で、まず確認したい税金は次の2つです。
1.印紙税
紙の不動産売買契約書を作成すると、契約金額に応じた印紙税がかかります。
2.譲渡所得に対する所得税・住民税
売却によって譲渡益が生じた場合、その利益に対して所得税・復興特別所得税・住民税が課税されます。
それぞれ見ていきましょう。
1.不動産売買契約書にかかる「印紙税」
紙で不動産売買契約書を作成する場合は、契約金額に応じて収入印紙を貼り、印紙税を納めます。
2026年8月現在、不動産譲渡契約書については、2027年3月31日まで軽減措置が適用されています。
代表的な軽減後の印紙税額は次のとおりです。
| 売買契約書の記載金額 | 軽減後の印紙税 |
|---|---|
| 500万円超~1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超~5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超~5億円以下 | 6万円 |
例えば、3,500万円でマンションを売却し、紙の売買契約書を作成する場合、軽減措置の対象であれば印紙税は1万円です。
印紙税は譲渡所得税のような特別控除を利用して減らすものではありません。
売却時の必要経費の一つとして、あらかじめ資金計画に入れておきましょう。
2.大きな差が出る「譲渡所得税」
不動産売却で特に注意したいのが、譲渡所得に対する税金です。
土地・建物の譲渡所得は、給与所得などとは分けて計算する「分離課税」です。
そして税率を大きく左右するのが、不動産を何年間所有していたかです。
所有期間5年を境に税率が大きく変わります
土地や建物を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えている場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。
2026年中に売却する場合、2020年12月31日以前に取得した不動産であれば、原則として長期譲渡所得となります。
税率は次のように大きく異なります。
| 区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税を含む実質的な税率の目安 |
| 長期譲渡所得 | 15% | 5% | 約20.315% |
| 短期譲渡所得 | 30% | 9% | 約39.63% |
所得税には、2026年現在、所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税が加わります。
つまり、所有期間によって税負担に大きな差が生じる可能性があります。
ここで特に注意したいのが、
「購入してから丸5年経ったから長期になる」
とは限らないことです。
判定するのは売却した年の1月1日時点だからです。
売却時期を数か月変えることで長期譲渡所得になるようなケースでは、契約前に必ず確認しておきましょう。
最大のポイント|マイホームなら「3,000万円特別控除」の可能性
自分が住んでいるマイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、
譲渡所得から最高3,000万円まで控除
できる特例があります。
これが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」です。
ここで非常に大切な点があります。
「税金が3,000万円安くなる」制度ではありません
3,000万円特別控除は、
税額から3,000万円を差し引く制度ではなく、譲渡所得から最高3,000万円を差し引く制度
です。
例えば、
- 売却価格 5,000万円
- 取得費 2,000万円
- 譲渡費用 200万円
だったとします。
譲渡所得は、
5,000万円-2,000万円-200万円=2,800万円
です。
この2,800万円について3,000万円特別控除の要件を満たしていれば、課税譲渡所得は0円となります。
反対に、譲渡所得が4,000万円なら、
4,000万円-3,000万円=1,000万円
が、原則として課税対象となります。
3,000万円特別控除は所有期間が短くても利用できる場合があります
マイホームの3,000万円特別控除は、所有期間の長短に関係なく、一定の要件を満たせば利用できます。
例えば、
- 現在自分が住んでいる住宅
- 以前住んでいた住宅で、一定期限内に売却するもの
などが対象になります。
以前住んでいた家の場合は、原則として、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
一方、
- 親子や夫婦など特別な関係にある人への売却
- 特例を受けることだけを目的に入居した住宅
- 別荘など
は対象にならない場合があります。
3,000万円控除は自動的には適用されません
ここも重要です。
「譲渡益が3,000万円以下だったから何もしなくてよい」
というわけではありません。
3,000万円特別控除を受けるためには、必要書類を添えて確定申告をする必要があります。
特例を使った結果として課税譲渡所得が0円になる場合でも、特例の適用を受けるための申告が必要です。
売却した翌年になってから慌てないよう、売買契約書や取得時の資料、売却費用の領収書などを保管しておきましょう。
所有期間10年超のマイホームなら「軽減税率」も確認
売却した年の1月1日現在で、マイホームの所有期間が10年を超えているなど一定の要件を満たす場合は、3,000万円特別控除を適用した後の課税長期譲渡所得について、さらに軽減税率が適用される可能性があります。
課税長期譲渡所得6,000万円までの部分については、
- 所得税10%
- 住民税4%
という軽減税率で計算します。
しかも、この軽減税率の特例は、一定の要件を満たせば3,000万円特別控除と併用できます。
長期間所有している那覇市の戸建住宅やマンションを売却する場合には、必ず確認しておきたい制度です。
税金対策で意外と重要なのが「取得費」です
不動産売却のご相談を受けていて、特に注意したいのが、
「昔の売買契約書が見つからない」
というケースです。
譲渡所得の計算では、購入したときの金額などを「取得費」として売却代金から差し引くことができます。
しかし、取得費が分からない場合は、原則として売却代金の5%を概算取得費として計算することができます。
例えば、3,000万円で売却した不動産の取得費が分からなければ、
3,000万円×5%=150万円
しか取得費として計上できない場合があります。
本当は1,500万円で購入していたとしても、その資料がなく取得費を証明できないことで、譲渡所得が大きくなる可能性があります。
ですから、不動産売却の税金対策では、
「売る前に購入時の資料を探す」
ことが非常に重要です。
捨てないでください|取得費を確認するための資料
売却前には、次のような資料を探してみましょう。
- 購入時の売買契約書
- 建築請負契約書
- 購入時の領収書
- 仲介手数料の領収書
- 登記関係書類
- リフォーム・増改築の領収書
- 設備費・改良費の資料
- 住宅ローン関係書類
取得費には購入代金だけでなく、一定の購入手数料、設備費、改良費などが含まれる場合があります。
ただし、建物については購入価格をそのまま取得費にできるわけではなく、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
売却にかかった費用も忘れずに確認しましょう
譲渡所得を計算するときは、「譲渡費用」も差し引くことができます。
代表的なものには、
- 不動産会社へ支払った仲介手数料
- 売買契約書の印紙代
- 売却のために必要となった測量費
- 一定の立退料
- 土地を売却するために建物を解体した場合の一定の解体費用
などがあります。
売却に関係する領収書や請求書は、決済が終わったからといって処分せず、確定申告まで保管しておきましょう。
住み替えの場合は3,000万円控除だけで判断しない
マイホームを売却して新しい住宅へ住み替える場合は、特に注意が必要です。
3,000万円特別控除を利用すると、新しく購入した住宅について、一定期間、住宅ローン控除を利用できなくなる場合があります。
国税庁は、新居へ入居した年、その前年・前々年に3,000万円特別控除などを利用した場合や、新居へ入居した後の一定期間に旧居の売却で特例を利用した場合には、住宅ローン控除を受けられないケースがあるとしています。
つまり、
「3,000万円控除が使えるから、とりあえず使おう」
と考えるのは注意が必要です。
旧居の3,000万円特別控除による節税額と、新居の住宅ローン控除によるメリットを比較した方がよいケースもあります。
住み替えの場合は、売却契約を締結する前から税理士などへ相談することをおすすめします。
相続した不動産は「取得した日」に注意
那覇市でも、相続した実家や土地の売却相談は少なくありません。
相続した不動産について、
「今年相続したから短期譲渡になるのでは?」
と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、原則として相続した土地・建物の取得時期は、亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。
取得費についても、原則として被相続人が購入したときの購入代金等を引き継ぎます。
したがって、相続した直後に売却したからといって、必ず短期譲渡所得になるわけではありません。
相続税を支払った方は「取得費加算の特例」も確認
相続や遺贈で取得した不動産を一定期間内に売却し、その相続について相続税を支払っている場合は、相続税の一部を取得費へ加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が利用できる可能性があります。
これによって譲渡所得が小さくなり、税負担を抑えられる場合があります。
この特例には売却期限があります。
相続不動産については、
「いつか売ればいい」
ではなく、相続税や売却時の税金まで含めて早めに検討することが重要です。
相続した空き家にも3,000万円控除の可能性があります
亡くなった親などが住んでいた一定の空き家を相続し、売却する場合にも、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」が適用できる可能性があります。
現在の制度では、一定の要件を満たし、2027年12月31日までに売却した場合が対象となっています。
ただし、
- 建物の築年
- 相続開始前の利用状況
- 売却価格
- 耐震基準
- 売却後の取壊し等
- 相続人の人数
など細かな要件があります。
相続人が3人以上の場合は、控除限度額が1人当たり最高2,000万円となる場合もあります。
相続した空き家を売却する場合は、一般的なマイホーム売却とは別に確認しましょう。
那覇市で不動産を売る前に確認したい「税金対策7項目」
不動産売却を検討する段階で、最低限、次の7項目を確認することをおすすめします。
1.購入時の金額が分かる資料はあるか
取得費が分からないと、概算取得費5%で計算することになり、税負担が大きくなる可能性があります。
2.所有期間は5年を超えているか
長期譲渡所得と短期譲渡所得では税率に大きな差があります。
3.マイホームの3,000万円特別控除を利用できるか
居住実態や売却期限、過去の特例利用などを確認します。
4.所有期間10年超の軽減税率が使えないか
長期間所有しているマイホームでは確認しておきましょう。
5.住み替え先の住宅ローン控除とどちらが有利か
3,000万円特別控除との関係を事前に比較します。
6.売却費用の領収書を保管しているか
仲介手数料や測量費など、譲渡費用として認められる可能性があります。
7.相続した不動産なら相続関係の特例がないか
取得費加算や相続空き家の3,000万円特別控除などを確認します。
よくある質問
Q.3,000万円で売ったら税金はいくらですか?
売却価格だけでは判断できません。
購入時の取得費、売却にかかった譲渡費用、所有期間、マイホームかどうかなどによって税額が異なります。
Q.売却益が3,000万円以下なら税金は必ずゼロですか?
いいえ。
3,000万円特別控除を利用できるマイホームなど、一定の要件を満たす場合に限ります。
投資用マンションや一般的な賃貸物件などには、マイホームの3,000万円特別控除は通常適用されません。
Q.3,000万円特別控除は税金から3,000万円引かれるのですか?
違います。
譲渡所得から最高3,000万円を控除する制度です。
Q.不動産を買ったときの契約書がありません。どうなりますか?
取得費が分からない場合、売却価格の5%を概算取得費として計算できる制度があります。
ただし、本来の取得費より大幅に低くなることもあるため、購入時の資料をできるだけ探すことが重要です。
Q.相続した不動産をすぐ売ると短期譲渡になりますか?
必ずしもそうではありません。
相続の場合は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継いで所有期間を判定します。
Q.利益が出なければ確定申告は必要ありませんか?
譲渡所得が生じない場合でも、利用する特例などによって申告が必要になることがあります。
特に3,000万円特別控除を利用する場合は、確定申告が必要です。
まとめ|不動産の税金対策は「売った後」では遅いことがあります
不動産売却時の税金対策で大切なのは、
売却が終わってから税金を考えるのではなく、売却する前に確認すること
です。
今回のポイントをまとめると、
- 売却代金全額に譲渡所得税がかかるわけではない
- 「売却価格-取得費-譲渡費用」が基本
- 紙の売買契約書には印紙税がかかる
- 2027年3月31日まで不動産売買契約書の印紙税軽減措置がある
- 所有期間5年を境に譲渡所得の税率が大きく変わる
- マイホームでは最高3,000万円の特別控除が使える場合がある
- 3,000万円は「税金」ではなく「譲渡所得」から控除する
- 所有期間10年超のマイホームには軽減税率の可能性がある
- 購入時の契約書がないと取得費が5%になる可能性がある
- 売却に直接かかった費用は譲渡費用になる場合がある
- 3,000万円控除と新居の住宅ローン控除の関係に注意する
- 相続不動産には取得費加算や空き家特例が使える場合がある
- 特例を利用するためには確定申告が必要なものがある
不動産売却では、
「いくらで売れたか」だけでなく、「売却後にいくら残るのか」
まで考えることが大切です。
例えば、売却時期を少し変えることで長期譲渡所得になる場合や、購入時の契約書を探すことで取得費を正しく計上できる場合など、売却前に確認することで結果が大きく変わるケースがあります。
ビクトリー企画株式会社では、那覇市の土地・戸建住宅・マンション・相続不動産・空き家・収益物件について、査定価格だけでなく、
「売却にどのような費用がかかるのか」
「利用できる可能性のある税制上の特例はあるのか」
「住宅ローンを返済すると、いくら残るのか」
「最終的な手取り額はいくらになりそうか」
まで整理しながら、売却計画をご説明しています。
税務上の最終的な判断や確定申告については、税務署または税理士への確認が必要ですが、売却を始める段階から税金を意識しておくことで、より安心して不動産売却を進めることができます。
那覇市で不動産売却をご検討中の方は、売却契約をする前に、ぜひ一度ご相談ください。
不動産は、「売る前の準備」と「売った後の安心」が大切です。
沖縄の不動産売買専門店
ビクトリー企画株式会社
代表取締役 吉富 達宣
公認 不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
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※本記事は2026年8月現在の国税庁等の公表資料をもとに、一般的な不動産売却について分かりやすく整理したものです。税制上の特例には細かな適用要件があり、個別の税額や適用可否については、税務署または税理士へご確認ください。

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