越境物とは?売却前に知っておきたい境界トラブルを防ぐための考え方【後編】
前編では、越境物とは何か、那覇市でよくある事例、そして売却時に確認しておきたい理由についてお話ししました。
後編では、近年の法改正も踏まえながら、売却前に知っておきたい実務上のポイントについてご紹介します。
2023年の民法改正で変わった「越境した枝」の考え方
庭木の枝がお隣の敷地に伸びているケースは、沖縄では決して珍しいことではありません。
温暖な気候と豊富な雨量により、庭木は想像以上に成長します。
以前は、隣地に伸びた枝については、原則として木の所有者に切ってもらう必要がありました。
しかし、2023年4月の民法改正により、一定の条件を満たす場合には、越境された土地の所有者が枝を切ることができる場合もあるようになりました。
ただし、
- どのような条件なら認められるのか
- 本当にその条件に当てはまるのか
は個別の事情によって異なります。
そのため、「法律が変わったから自由に切ってよい」と考えるのではなく、まずは隣地の方との話し合いや、必要に応じて専門家へ相談することが大切です。
私たちも、ご相談者様には「まず状況を整理しましょう」とお伝えしています。
確定測量を先に行う理由
越境物の相談では、
「すぐに木を切った方がいいですか?」
という質問をいただくことがあります。
しかし、多くの場合、先に確認したいのは境界です。
なぜなら、
境界がはっきりしなければ、
本当に越境しているのかどうかも判断できないからです。
前編でもお話ししたように、
境界杭が昔から動いていたり、
ブロック塀が境界と思われていたものが違っていたりすることがあります。
そのため、
まずは必要に応じて土地家屋調査士による確定測量を検討し、
境界を整理してから越境の対応を考える方が、
結果として時間も費用も抑えられるケースがあります。
越境が見つかったらどうすればよい?
越境が見つかったからといって、
慌てて工事を始めたり、
隣地へ強く申し入れたりする必要はありません。
一般的には次のような流れで整理していきます。
① 現地を確認する
実際にどこが越境しているのかを確認します。
② 境界を確認する
測量図や境界杭を確認し、
必要に応じて土地家屋調査士へ相談します。
③ 隣地所有者と話し合う
長年良好なお付き合いをされている方も多く、
お互いに事情を共有することで解決できるケースも少なくありません。
④ 必要に応じて書面を作成する
将来の誤解を防ぐため、
越境に関する覚書などを作成することもあります。
内容は土地ごとに異なるため、
司法書士や土地家屋調査士など関係する専門家と相談しながら進めると安心です。
⑤ 売買契約で状況を説明する
越境がある場合でも、
買主様へ正しく説明し、
納得いただいたうえで契約することが大切です。
契約不適合責任との関係
近年は「契約不適合責任」という言葉を耳にすることが増えました。
越境物そのものが直ちに契約不適合責任につながるとは限りませんが、
売主様が把握している内容を適切に説明せずに契約した場合には、
後からトラブルになる可能性があります。
だからこそ、
「隠す」のではなく、
「整理して伝える」
という姿勢が、
安心した売買につながります。
私たちは、売主様にも買主様にも安心していただけるよう、
状況を一つひとつ整理しながら進めています。
那覇市で売却前に確認したいポイント
土地や戸建を売却するときは、
越境物だけではなく、
次のような点も一緒に確認すると安心です。
✔ 境界杭は残っているか
✔ 確定測量があるか
✔ ブロック塀の位置
✔ 樹木の枝や根
✔ 雨どい
✔ カーポート
✔ エアコン室外機
✔ 給排水管
✔ 隣地との覚書の有無
これらを売却前に整理しておくことで、
買主様も安心して購入を検討できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 越境物があると売却できませんか?
必ずしもそうではありません。
状況を整理し、買主様へ適切に説明することで売買が成立するケースも多くあります。
Q2. 樹木の枝は勝手に切ってもいいですか?
2023年の民法改正により一定の場合には切ることができるケースもありますが、条件があります。
個別の事情によって異なりますので、自己判断ではなく状況を確認しながら進めることが大切です。
Q3. 相続した土地でも確認した方がいいですか?
はい。
相続した土地では、
長年確認されていない境界や越境が見つかることもあります。
売却前に確認しておくと安心です。
Q4. 確定測量は必ず必要ですか?
法律上、すべての土地で義務ではありません。
ただし、
買主様から求められることも多く、
土地の状況によっては検討する価値があります。
Q5. 越境問題は誰に相談すればいいですか?
境界や測量については土地家屋調査士、
法律的な判断が必要な場合は弁護士など、
内容に応じた専門家へ相談することが大切です。
私たちビクトリー企画株式会社でも、ご相談内容を整理し、必要に応じて専門家をご紹介しています。
まとめ|「売ること」より「安心して引き渡すこと」を大切に
越境物は、長年住み続けてきた住宅や相続した土地では珍しいものではありません。
大切なのは、
「越境があるから悪い」
と考えることではなく、
現状を正しく把握し、
必要に応じて整理し、
買主様へ丁寧に説明することです。
土地や建物は、一つとして同じものはありません。
だからこそ、
私たちは「こうすべき」と結論を急ぐのではなく、
売主様のお気持ちやご家族の状況も伺いながら、
後悔の少ない売却を一緒に考えていきたいと思っています。
売る前より、売った後が大事。
それが、創業31年、那覇市で不動産売買専門店として歩んできたビクトリー企画株式会社の変わらない想いです。
ご相談はお気軽に
ビクトリー企画株式会社
〒902-0077 沖縄県那覇市寄宮1丁目27番11号 シャトレ城102
TEL:098-836-2001
ホームページ:https://victory.co.jp/
代表 吉富 達宣
- 公認 不動産コンサルティングマスター
- 相続対策専門士
- 不動産エバリュエーション専門士
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
月曜~金曜日:10時~18時
土曜日:10時~17時

お問合せ先 tel:098-836-2001
営業時間
月曜~金曜日:10時~18時
土曜日:10時~17時


