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マンション売却で戻ってこないお金に注意!管理費・修繕積立金の正しい考え方

マンション売却で戻ってこないお金に注意!管理費・修繕積立金の正しい考え方

こんにちは。

那覇市の不動産売却専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。

マンションを売却すると、住宅ローン保証料や火災保険料など、契約内容によっては一部のお金が戻ってくることがあります。

一方で、

「長年支払ってきた修繕積立金も返してもらえるのでは?」
「管理費は使っていない分が戻るのでは?」
「住宅ローンを完済すれば保証料は必ず返金されるのでは?」

と誤解されることも少なくありません。

今回のテーマは、マンション売却で戻ってこないお金と、戻る可能性はあっても条件があるお金です。

売却後に「受け取れると思っていたお金が戻らなかった」ということがないよう、2026年8月現在の制度と沖縄の金融機関の取扱いをもとに解説します。

結論|管理費・修繕積立金は原則として管理組合から返金されません

マンションを売却しても、それまでに管理組合へ納めた次のお金は、原則として返金されません。

1.管理費
2.修繕積立金

国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約では、区分所有者が管理組合へ納入した管理費等や使用料について、返還請求や分割請求をすることはできないとされています。実際の取扱いは各マンションの管理規約によりますが、多くのマンションで同様の内容が定められています。

したがって、売却した時点で未使用に見えるお金があっても、自分の持分として自由に引き出せるわけではありません。

1.管理費が戻ってこない理由

管理費は、マンションの日常的な維持・管理に使用されるお金です。

国土交通省のマンション標準管理規約では、管理費の主な使い道として、次のような費用が挙げられています。

  • 管理員の人件費
  • 共用設備の保守・運転費
  • 清掃費やごみ処理費
  • 共用部分の電気代など
  • 日常的な補修費
  • 管理会社への委託業務費
  • 管理組合の運営費
  • 共用部分にかける火災保険料・地震保険料

管理費は、区分所有者個人のために預けている貯金ではなく、マンション全体の日常管理に使用するため管理組合へ納めるお金です。

そのため、マンションを売却したからといって、それまでに納めた管理費の累計額が返金されることは通常ありません。

2.修繕積立金が戻ってこない理由

修繕積立金は、将来の大規模修繕工事や、突発的な修繕に備えて積み立てるお金です。

主な使い道には、次のようなものがあります。

  • 外壁塗装やタイル補修
  • 屋上・バルコニーの防水工事
  • 給排水設備の改修
  • エレベーターの修繕・更新
  • 共用部分の改良
  • 台風などによる突発的な損傷の修繕

国土交通省の標準管理規約でも、修繕積立金は、計画的な修繕や不測の事故による修繕など、マンション全体の特別な管理に必要な費用として積み立てるものとされています。

また、国税庁も、一般的な管理規約では、管理組合が解散しない限り、納入した修繕積立金を区分所有者へ返還しない取扱いになっていると説明しています。

修繕積立金は、各部屋の所有者が個人名義で積み立てている貯金ではありません。

売却時に、

「これまで20年間で支払った修繕積立金を返してほしい」

と管理組合へ請求することは、通常できません。

日割り精算は「管理組合からの返金」ではありません

管理費や修繕積立金について、売却時にお金を受け取ることがあります。

しかし、これは管理組合からの返金ではありません。

売主様が引渡し日以降の期間分まで先に支払っている場合に、その期間分を買主様から売主様へ支払って調整する日割り精算です。

日割り精算の例

次の条件で計算してみましょう。

  • 管理費:月額1万5,000円
  • 修繕積立金:月額1万円
  • 9月分は売主様が支払い済み
  • 引渡し日:9月16日
  • 買主様の負担期間:9月16日から30日までの15日間

管理費は、次のように計算します。

1万5,000円÷30日×15日=7,500円

修繕積立金は、次のとおりです。

1万円÷30日×15日=5,000円

したがって、買主様から売主様へ支払う精算金は、

7,500円+5,000円=1万2,500円

となります。

この1万2,500円は、過去に支払った管理費や修繕積立金の返金ではありません。

売主様が先払いした「引渡し後の15日分」を、買主様が負担するものです。

日割り精算は法律上の統一ルールではありません

管理費や修繕積立金を、必ず日割り精算しなければならないという全国一律の法律上の計算方法はありません。

実際には、売買契約書で次のような内容を決めます。

  • 引渡し日の前日までを売主様負担とする
  • 引渡し日以降を買主様負担とする
  • 実際の日数で日割り計算する
  • 1円未満を切り捨てる
  • 決済日に買主様から売主様へ支払う

したがって、日割り精算を行うかどうかは、管理組合ではなく、売主様と買主様の売買契約によって決まります。

「管理費等が戻ってくる例外」と考えるよりも、売主様と買主様との間で行う負担調整と理解した方が正確です。

管理費等を先払いしているか確認しましょう

管理費と修繕積立金の請求方法は、マンションによって異なります。

例えば、次のような違いがあります。

  • 当月分を当月に引き落とす
  • 翌月分を前月に引き落とす
  • 2か月分をまとめて引き落とす
  • 管理費と駐車場料を同時に引き落とす

売却時には、管理会社へ次の点を確認する必要があります。

  • 売主様の口座から何月分まで引き落とされるか
  • 最終口座振替日はいつか
  • 買主様の口座振替はいつから始まるか
  • 所有者変更届の提出期限
  • 引渡し後に引き落とされた場合の処理方法

所有権移転登記をしただけでは、管理会社の口座振替が自動的に停止されないことがあります。

売却後に売主様の口座から管理費等が引き落とされた場合は、管理会社や買主様との間で追加精算が必要になる可能性があります。

管理費等に滞納がある場合は要注意

管理費や修繕積立金を滞納していても、マンションを売却すれば支払義務がなくなるわけではありません。

国土交通省の標準管理規約では、管理組合が管理費等について有する債権は、マンションを取得した特定承継人、つまり買主様に対しても行使できるとされています。

そのため、滞納がある場合は、

  • 売主様が決済までに支払う
  • 売買代金から滞納額を差し引いて管理組合へ支払う
  • 遅延損害金や督促費用も確認する

などの対応が必要です。

滞納を買主様へ説明せずに売却を進めると、契約や住宅ローン審査に影響する可能性があります。

売却を依頼する段階で、不動産会社へ正確に伝えましょう。

住宅ローン保証料は手続きしても戻らない場合があります

元原稿には、「金融機関へ返金を依頼すれば手続き完了」とありますが、保証料が必ず戻るわけではありません。

住宅ローン保証料が戻る可能性があるのは、主に次のようなケースです。

  • 借入時に保証料を一括払いしている
  • 予定より早く住宅ローンを完済する
  • 保証会社所定の返戻保証料が発生する
  • 返戻保証料が手数料を上回っている

保証料を金利に含めて支払う方式や、融資取扱手数料型の住宅ローンでは、一括払いした保証料自体がないため、返戻保証料が発生しないことがあります。

沖縄銀行の場合

沖縄銀行の住宅ローン保証委託契約では、一括繰上完済または一部繰上返済をした場合、保証料が返戻されることがあります。

ただし、保証会社所定の計算方法で算出され、返戻保証料から取扱手数料や返還に必要な費用が差し引かれます。

琉球銀行の場合

琉球銀行では、保証料の支払方法として「内包型」と「一括型」があります。

一括型で保証料を支払った方が繰上返済をした場合は、戻保証料が計算されますが、保証会社所定の手数料が差し引かれます。

戻保証料が手数料に満たない場合は、返金されません。

沖縄海邦銀行の場合

沖縄海邦銀行の住宅ローンには、保証料の一括支払型と分割支払型がある商品があります。一方、商品によっては分割支払型のみの場合もあるため、利用している住宅ローンの確認が必要です。

九州総合信用株式会社の保証料一括払い方式では、繰上完済時の返戻保証料から、次のいずれか大きい額が保証解約料として差し引かれます。

  • 返戻保証料の30%相当額
  • 3万1,500円

返戻保証料が3万1,500円未満の場合は、返戻保証料の全額が保証解約料となるため、実際の返金額がゼロになることがあります。

したがって、「一括払いした保証料は、申請すれば必ず戻る」わけではありません。

売却前に借入先の銀行へ、返戻保証料の概算額と手数料を確認することが大切です。

火災保険・地震保険も必ず戻るわけではありません

火災保険や地震保険も、マンションを売却しただけで自動的に解約されるとは限りません。

保険期間中に解約する場合は、保険会社や取扱代理店への手続きが必要です。

保険料を一括払いしており、保険期間が残っている場合は、解約返戻金が発生することがあります。

ただし、次のようなケースでは、返金されないことや、返金額が少なくなる場合があります。

  • 保険期間がほとんど残っていない
  • 保険料を一括払いしていない
  • 契約内容上、返戻金が発生しない
  • 所定の経費や係数が差し引かれる
  • 解約後の返戻額が少額になる

日本損害保険協会も、中途解約では残りの保険期間に応じた保険料が返還される一方、保険会社の経費等が差し引かれ、残存期間分の全額が戻るとは限らないと説明しています。

現在の一般的な個人向け火災保険は、2022年10月以降に始まる契約について、最長保険期間が5年となっています。地震保険の保険期間も最長5年です。

ただし、以前に契約した10年、20年、30年を超える長期火災保険が現在も継続している場合があります。

古い長期契約をお持ちの方は、比較的大きな解約返戻金が発生する可能性もあるため、保険証券を確認しましょう。

火災保険を早く解約し過ぎないように注意

マンションの売買契約を締結した直後に、火災保険を解約することはおすすめできません。

売買契約を締結してから買主様へ引き渡すまでの間は、まだ売主様がマンションを所有しています。

沖縄では台風、風災、漏水なども考えられるため、引渡し前に保険を解約すると、その間に発生した事故について補償を受けられない可能性があります。

解約日は、原則として買主様への引渡し日に合わせ、事前に保険会社や代理店へ相談しましょう。

「戻らない」と「手続きしていない」を分けて考えましょう

マンション売却に関係するお金は、次の3種類に分けて考えると分かりやすくなります。

1.原則として戻らないお金

  • 過去に支払った管理費
  • 過去に支払った修繕積立金
  • 融資事務手数料
  • 保証会社の事務手数料
  • 住宅ローンの繰上返済手数料

2.売主様と買主様との間で精算するお金

  • 引渡し日以降の管理費
  • 引渡し日以降の修繕積立金
  • 固定資産税精算金
  • 駐車場使用料
  • バイク置場使用料
  • 専用庭・ルーフバルコニー使用料

3.契約内容によって戻る可能性があるお金

  • 一括払いした住宅ローン保証料
  • 火災保険の解約返戻金
  • 地震保険の解約返戻金

「戻るお金」と一括りにせず、誰から、どのような理由で受け取るお金なのかを確認しましょう。

マンション売却前のチェックリスト

売却後の受け取り漏れや認識違いを防ぐため、次の項目を確認しましょう。

□ 管理費・修繕積立金の月額
□ 管理費等の支払対象月
□ 売主様の最終口座振替日
□ 管理費等の滞納の有無
□ 駐車場料などの精算対象
□ 管理会社への所有者変更届
□ 住宅ローン保証料の支払方式
□ 返戻保証料の概算額
□ 保証会社の手数料・保証解約料
□ 火災保険・地震保険の満期日
□ 保険料の支払方法
□ 解約返戻金の有無
□ 保険の解約日

売買契約の直前ではなく、売却活動を始める段階で確認しておくと安心です。

よくある質問

マンションを売却したときの精算に関するよくある質問

Q.長年支払った修繕積立金は、売却価格に上乗せできますか?

修繕積立金の支払累計額を、そのまま売買価格に上乗せできるわけではありません。

ただし、修繕積立金が十分に確保され、長期修繕計画や大規模修繕が適切に実施されているマンションは、買主様の安心材料になる可能性があります。

Q.管理費等の日割り精算は必ず行いますか?

必ずではありません。

精算するかどうか、計算方法、引渡し日の負担者などは、売買契約書で取り決めます。

Q.住宅ローン保証料は銀行へ連絡すれば必ず戻りますか?

必ず戻るわけではありません。

保証料の支払方式、利用商品、保証会社、残存期間、返戻保証料、手数料によって異なります。

Q.火災保険はマンションを売れば自動的に解約されますか?

自動的に解約されるとは限りません。

保険会社または取扱代理店へ連絡し、必要な手続きを行いましょう。

Q.火災保険料は残りの期間分が全額戻りますか?

単純な月割りや年割りで全額が戻るとは限りません。

契約内容や保険会社所定の計算方法によって返金額が決まります。

まとめ|管理費等の精算と返金を混同しないことが大切です

マンション売却で特に注意したいのは、管理費や修繕積立金です。

重要なポイントは次のとおりです。

  • 過去に支払った管理費は原則として返金されない
  • 過去に支払った修繕積立金も原則として返金されない
  • 日割り精算は管理組合からの返金ではない
  • 日割り精算は売主様と買主様との間の負担調整
  • 住宅ローン保証料は一括払いでも返金されない場合がある
  • 返戻保証料から手数料等が差し引かれることがある
  • 火災保険は自動解約ではなく、別途手続きが必要
  • 火災保険料も残存期間分が全額戻るとは限らない

マンション売却では、売買価格だけでなく、管理費、修繕積立金、住宅ローン、保険など、売却後のお金の流れまで確認することが大切です。

ビクトリー企画株式会社では、管理会社から必要な資料を取り寄せ、管理費、修繕積立金、駐車場料、固定資産税などの精算内容を確認します。

また、沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行などの住宅ローン完済手続きや、売却後に必要となる保険の手続きについても分かりやすくご説明しています。

那覇市でマンションの売却をご検討中の方は、売却後に困らないためにも、早めにご相談ください。

不動産は、売る前より「売った後」が大事です。


沖縄の不動産売買専門店
ビクトリー企画株式会社

代表取締役 吉富 達宣
公認 不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
不動産エバリュエーション専門士

〒902-0064
沖縄県那覇市寄宮1丁目27番11号
シャトレ城102号

電話:098-836-2001
FAX:098-836-1600

※本記事は2026年8月現在の公表資料および一般的な不動産売買実務をもとに作成しています。マンションごとに管理規約や徴収方法は異なります。住宅ローン保証料や保険料の返金条件については、借入先の金融機関、保証会社、保険会社へご確認ください。

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吉富 達宣

皆さま、こんにちは。代表の吉富達宣です。 簡単なプロフィール ・出身:那覇市  ・趣味:経済ニュースを見ること。  ・奮闘中:地域の社会貢献に取り組んでいます。(^^)/ 生まれも育ちも那覇市の私は、ブルースリーや大山倍達に憧れ(古い!(笑))中学高校と空手をやり、負けない心をつくることを学び卒業後、数年間、本場大阪で商売の基本を学ばせていただきました。 そこで得たことは、お客様にとことん誠心誠意向き合うことの大切さです。それでしか信頼を得ることは出来ない!という事です。お客様に喜んでいただくことが、何よりも私の幸せです。 私たちのモットーは誠実なサービスを提供し、お客様のご要望に真心を尽くすことです。創業30年の経験を持ち、地元密着型の企業として、那覇市の不動産市場に関わってまいりました。 お客様一人ひとりのご要望にお応えするために、地元ならではの情報とネットワークを活かしたサービスを提供しています。 不動産売買は人生でとても重要なお取引ですので、細やかなサポートを提供し、お客様がご安心いただけるように努めています。 また、当社の女性スタッフは私の妻であり、チーム一丸となって皆さまのご要望にお応えいたします。どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。心を込めてお手伝いさせていただきます。 資格:  ・宅地建物取引士(沖縄) 第3358号  ・公認不動産コンサルティングマスター (2)33228  ・「相続対策専門士」  ・「不動産エバリュエーション専門士」  ・2級ファイナンシャル・プランニング技能士  ・既存住宅アドバイザー

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