
こんにちは。
那覇市の不動産売却専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。
住み替えによって使わなくなった自宅。
親から相続した実家。
転勤などによって、しばらく住む予定がなくなったマンション。
このような住宅を所有していると、
「売った方がいいのか?」
それとも、
「せっかく持っているのだから貸した方がいいのか?」
と迷われる方は少なくありません。
どちらが正解かは、不動産の状態や立地だけでなく、
- 将来その家を使う予定
- 売却した場合の手取り額
- 貸した場合の収支
- 住宅ローン
- 税金
- 修繕費
- 所有者・共有者の意向
などによって変わります。
今回は、那覇市やその近郊で、住まなくなった土地・戸建住宅・マンションをお持ちの方に向けて、「売る」「貸す」を判断するときに確認したい7つのポイントを分かりやすく解説します。
まず結論|「売却価格」と「家賃」だけを比べない
例えば、
「3,500万円で売れる家」
と、
「月12万円で貸せる家」
があったとします。
単純に考えると、
年間家賃は、
12万円×12か月=144万円
です。
そのため、
「年間144万円入るなら、売らずに貸した方が得では?」
と思うかもしれません。
しかし、賃貸住宅を所有すると、家賃収入から、
- 固定資産税
- 火災保険料
- 管理委託料
- 入居者募集費用
- 設備修理
- 建物修繕
- 空室期間
- 原状回復費用
- マンションなら管理費・修繕積立金
などの費用が発生します。
税務上も、家賃などの総収入金額から必要経費を差し引いて不動産所得を計算します。国税庁は、必要経費の例として固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などを示しています。
つまり、
家賃収入=手元に残る利益
ではありません。
売るか貸すかを判断するときは、
売却した場合の手取り額
と、
賃貸した場合の年間手残り
を比較することが重要です。
判断基準1|将来、自分や家族が住む可能性があるか
最初に考えていただきたいのは、
「この家を将来自分や家族が使う可能性があるか?」
です。
例えば、
- 数年間の転勤後に戻る予定がある
- 将来子どもが住む可能性がある
- 定年後に沖縄へ戻る予定がある
という場合は、賃貸して所有を続ける選択肢があります。
一方、
- 今後住む予定がない
- 家族も使用する予定がない
- 建物が古く、今後の修繕負担が心配
- 現金化して住み替えや老後資金などに充てたい
という場合は、売却の方が目的に合う可能性があります。
「不動産だから、とりあえず持っておこう」ではなく、
何のために所有し続けるのか
を考えてみましょう。
判断基準2|貸した場合の「本当の手残り」を計算する
賃貸を検討する場合は、想定家賃だけで判断しないことが大切です。
例えば月12万円で貸せる住宅でも、1年を通して必ず12万円×12か月受け取れるとは限りません。
退去後、次の入居者が決まるまで2か月空室になれば、その間の家賃収入はありません。
さらに、
「エアコンが故障した」
「給湯器を交換した」
「台風で建物の一部が傷んだ」
「外壁や防水工事が必要になった」
という費用が発生することもあります。
特に沖縄では、台風や潮風による影響も物件によって考慮する必要があります。
そのため、
年間家賃-管理費-税金-保険-修繕費-空室等
という考え方で、長期的な収支を確認しましょう。
判断基準3|住宅ローンが残っているなら、貸す前に金融機関へ確認
住宅ローンを返済中の自宅を、そのまま賃貸に出す場合は注意が必要です。
一般的な住宅ローンは、
本人や家族が居住する住宅
を前提とした商品です。
住宅金融支援機構も、フラット35について投資用物件の取得資金には利用できず、本人または親族が実際に居住していることを確認すると案内しています。
転勤など、やむを得ない事情が生じた場合の取扱いは金融機関や住宅ローン商品によって異なります。
したがって、
「家を使わなくなったから、そのまま貸してしまおう」
と自己判断せず、賃貸募集を始める前に借入先の金融機関へ確認することをおすすめします。
判断基準4|一度貸すと、いつでも自由に退去してもらえるとは限らない
ここは、売るか貸すかを考えるうえで非常に重要です。
住宅の賃貸借契約には、大きく分けて、
普通建物賃貸借契約(普通借家)と、定期建物賃貸借契約(定期借家)
があります。
普通借家の場合
普通借家では、契約期間が満了したからといって、
「期間が終わったので退去してください」
と貸主側から自由に契約を終了できるわけではありません。
貸主が更新を拒絶する場合などには、借地借家法上の「正当事由」が問題となります。国土交通省も、普通建物賃貸借について、正当事由がない限り貸主から更新拒絶はできないと説明しています。
例えば、
「5年後には自分で住みたい」
「3年後には空室にして売りたい」
という予定がある場合、普通借家で貸すことには注意が必要です。
定期借家なら期間満了で終了できる
一定期間だけ貸したい場合に検討されるのが、定期建物賃貸借契約です。
定期借家は、契約時に決めた期間が満了すると、更新されることなく契約が終了する制度です。
ただし、貸主と借主が合意すれば、期間満了後に「更新」ではなく改めて再契約することはできます。
したがって、
「転勤中の3年間だけ貸したい」
「5年後には自分で使いたい」
といった場合には、一つの選択肢になります。
ただし、定期借家にもデメリットがあります
定期借家にすれば貸主側は将来の予定を立てやすくなりますが、**借主にとっては「長く住み続けられる保証がない物件」**になります。
そのため、
借り手の候補が少なくなる可能性があります
一般的な住宅を探す方の中には、
「できれば長く住みたい」
「子どもの学校があるので転居したくない」
「契約終了後にまた引っ越すのは大変」
と考える方もいます。
そのような借主にとって、期間終了が決まっている定期借家は選びにくい場合があります。
定期借家は契約期間が限定されるため、普通借家より借主が集まりにくくなるケースがあります。
家賃を普通借家より低く設定しなければならない場合もあります
借主にとって契約期間が限定される分、
普通借家と同じ家賃では入居者が決まりにくい
ということがあります。
その場合、
- 家賃を下げる
- 敷金・礼金を抑える
- その他の募集条件を良くする
など、借主にとってのメリットを作らなければならないケースがあります。
実際、不動産情報サイトでも、定期借家は契約期間の制約から普通借家より家賃を低く設定する場合があることが指摘されています。
ただし、「定期借家なら必ず家賃が安くなる」とまでは言えません。
アットホームの2025年度募集家賃調査でも、地域・建物種別・面積帯によっては、定期借家の募集家賃が普通借家を上回るケースがあります。したがって、物件の立地、築年数、契約期間、希少性などを踏まえて個別に判断する必要があります。
特に那覇市の場合も、
「普通借家なら月○万円、定期借家なら月○万円」
という形で、実際の周辺募集事例を確認して賃料査定をすることが重要です。
定期借家は契約手続きにも注意
定期借家は、
「契約書に定期借家と書けばよい」
という制度ではありません。
現行の借地借家法では、定期建物賃貸借契約について、書面または一定の電磁的記録による契約が必要です。
さらに貸主は契約前に、
「更新がなく、期間満了によって契約が終了する」
ことについて、借主へ別途説明する必要があります。説明が適切に行われなければ、更新がないという定めが無効になる場合があります。
また契約期間が1年以上の場合には、原則として期間満了の1年前から6か月前までの間に、契約終了の通知も必要です。
つまり、
定期借家=貸主にとって都合のよい契約
と単純に考えるのではなく、
将来の利用時期を確定しやすい代わりに、賃料や入居者募集で不利になる可能性と、契約手続き上の注意点がある契約
と考えた方が適切です。
普通借家と定期借家を簡単に比較すると
| 普通借家 | 定期借家 | |
|---|---|---|
| 契約期間満了 | 原則更新あり | 原則終了 |
| 貸主からの更新拒絶 | 正当事由が問題になる | 期間満了で終了 |
| 借主の住みやすさ | 長期間住みやすい | 期間が限定される |
| 入居者募集 | 比較的広い層が対象 | 借主層が狭くなる場合あり |
| 家賃 | 通常の市場相場を基準 | 相場より抑える必要が出る場合あり |
| 将来自分で使う予定 | 時期を確定しにくい | 時期を計画しやすい |
| 契約手続き | 一般的 | 法定の説明等に注意 |
判断基準5|「何年か貸してから売る」なら税金の期限も確認
元自宅について、
「今すぐ売らず、まず数年間貸してから売ろう」
という選択もあります。
ここで確認していただきたいのが、マイホームの3,000万円特別控除です。
以前住んでいたマイホームでも、
住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで
に売却するなどの要件を満たせば、特例を利用できる可能性があります。
さらに、家屋を残したままであれば、住まなくなった後に賃貸など別の用途に使用しても、一定の期限内なら特例の対象となる可能性があります。
つまり、
「一度貸したら3,000万円控除は絶対に使えない」
というわけではありません。
ただし期限があります。
「何年間貸すか」を決める際は、将来の売却時期と税制上の期限を一緒に確認しましょう。
具体的な適用可否や税額については、税理士または税務署への確認が必要です。
判断基準6|相続した実家を貸す場合は、さらに慎重に
親から相続した実家の場合は、自分が以前住んでいた住宅とは税制上の扱いが異なることがあります。
一定の相続空き家については、
被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除
を利用できる可能性があります。
しかし、この特例には、
相続時から売却時まで、事業用・貸付用・居住用として使用していないこと
などの要件があります。
つまり、条件によっては、
相続した実家を一度賃貸に出すことで、将来売却するときに空き家特例を利用できなくなる可能性があります。
これは非常に重要です。
「誰も住まないから、とりあえず貸そう」
と決める前に、
- 売却した場合
- 賃貸した場合
- 特例を利用できる可能性
まで確認することをおすすめします。
判断基準7|共有なら、まず所有関係と全員の意向を確認
相続不動産では、兄弟姉妹など複数人が共有している場合があります。
ただし、相続したから必ず共有になるわけではありません。
遺産分割の結果、1人が取得しているケースもあります。
共有になっている場合は、
「Aさんは売りたい」
「Bさんは貸したい」
「Cさんは実家を残したい」
と意見が分かれることがあります。
売却や賃貸の契約に進む前に、
- 現在の登記名義
- 持分
- 誰がどのように利用したいのか
- 売却代金や賃料収入をどう考えるのか
を整理することが大切です。
共有物については、処分・変更・管理行為などで必要となる同意の範囲が異なるため、個別の法律判断が必要なケースでは弁護士等への確認が必要です。
「売らない・貸さない」という選択にも管理責任があります
「まだ決められないから空き家のままにしておこう」
という選択もあります。
もちろん、すぐに売ったり貸したりする必要があるとは限りません。
ただし、所有している間は、
- 換気
- 雨漏り確認
- 草木の管理
- 台風後の点検
- 防犯
- 修繕
- 固定資産税
などの負担は続きます。
適切に管理されない期間が長くなるほど、建物の劣化や近隣への影響などのリスクが高まる可能性があります。
「何もしない」という場合も、管理費用まで含めて考えましょう。
売却が向いている可能性がある人
次のような場合は、売却を一度検討してみる価値があります。
- 今後住む予定がない
- 子どもなども使用する予定がない
- 維持管理の負担をなくしたい
- 今後大きな修繕費が予想される
- 相続財産を現金化して整理したい
- 住宅ローンを完済したい
- 売却後の資金を住み替え・生活資金等に充てたい
- 現在の市場価格で納得できる手取りが見込める
賃貸が向いている可能性がある人
反対に、次のような場合は賃貸も検討できます。
- 将来自分や家族が再び住む予定がある
- 家を手放したくない理由がある
- 周辺に十分な賃貸需要がある
- 修繕費等を考慮しても収支が合う
- 空室リスクを許容できる
- 建物管理を継続できる
- 長期的に賃貸経営を考えている
売る・貸す・空き家のままを比較
| 項目 | 売る | 貸す | 空き家のまま |
|---|---|---|---|
| 所有権 | 手放す | 保有 | 保有 |
| まとまった資金 | 得られる | 原則なし | なし |
| 家賃収入 | なし | あり | なし |
| 維持管理 | 売却後不要 | 必要 | 必要 |
| 修繕費 | 売却後不要 | 必要 | 必要 |
| 空室リスク | なし | あり | 常時空室 |
| 入居者対応 | なし | 必要 | なし |
| 将来自分で使う | 不可 | 契約次第 | 可能 |
| 市場価格の変動 | 今の価格で確定 | 将来まで影響 | 将来まで影響 |
ビクトリー企画が考える「5つの比較」
売るか貸すかで迷われている場合は、まず次の5つを数字にしてみると判断しやすくなります。
① 今の売却査定価格
② 売却後の想定手取り額
③ 普通借家で貸した場合の想定賃料
④ 定期借家の場合の想定賃料と入居者需要
⑤ 5年後・10年後にその家をどうしたいか
特に、
「普通借家ならいくらで貸せるのか」
と、
「期間を限定した定期借家でも同じ家賃で借り手が見つかるのか」
は、分けて確認することをおすすめします。
まとめ|「売る?貸す?」は将来の出口まで考えて決める
住まなくなった住宅について、売却が正解、賃貸が正解という一律の答えはありません。
重要なのは、
「今、いくら得られるか」だけでなく、「5年後・10年後にどうしたいか」まで考えること
です。
特に確認したいのは、
- 将来自分や家族が使う予定
- 売却した場合の手取り
- 賃貸した場合の実質収支
- 空室や修繕リスク
- 住宅ローンの条件
- 普通借家と定期借家の違い
- 定期借家の場合の賃料と募集のしやすさ
- 税制上の売却期限
- 相続空き家の特例
- 共有者の意向
です。
一度貸してから売却することもできますが、「貸したこと」で将来の売却条件や税制上の取扱いに影響するケースがあります。
だからこそ、「とりあえず貸す」「とりあえず売る」と決める前に、両方を比較してから判断することが大切です。
ビクトリー企画株式会社では、那覇市・近郊の土地、戸建住宅、マンション、相続不動産、空き家について、
売った場合の査定価格・手取りの考え方
と、
貸した場合の賃料・管理負担・将来の出口
を整理しながら、選択肢をご説明します。
当社は宅地建物取引業者として、不動産取引や賃貸実務に関する一般的な情報をご説明しています。個別の権利関係等の法律判断については弁護士等、具体的な税額や税制特例の適用可否については税理士・税務署への確認が必要です。
那覇市で、
「実家を売るか貸すか迷っている」
「住み替え後の自宅をどうするか決められない」
「普通借家と定期借家のどちらがよいか知りたい」
という方は、売却・賃貸を決める前からお気軽にご相談ください。
不動産は、「売る前の準備」と「売った後の安心」が大切です。
沖縄の不動産売買専門店
ビクトリー企画株式会社
代表取締役 吉富 達宣
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
不動産エバリュエーション専門士
〒902-0064
沖縄県那覇市寄宮1丁目27番11号
シャトレ城102号
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※本記事は2026年9月現在の法令・公的資料および一般的な不動産実務をもとに作成した一般情報です。物件、契約、住宅ローン、共有関係等によって取扱いは異なります。個別の法律判断・税務判断については、弁護士・税理士・税務署等の専門機関へご確認ください。

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