
こんにちは。那覇市の不動産売買専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。
「使っていない家を、そのままにしておくのはもったいない」
「貸せば家賃収入になるのでは?」
相続や転勤、住み替えなどをきっかけに、このように考える方は少なくありません。確かに、持ち家を賃貸に出すことには、家賃収入を得られるという大きなメリットがあります。
一方で、家賃がそのまま利益になるわけではありません。住宅ローンの契約条件、空室、修繕費、入居者対応など、貸す前に確認しておきたい点もあります。
とはいえ、必要以上に心配する必要はありません。リスクは、内容を知り、先に備えることで小さくできます。
今回は、那覇市や浦添市、豊見城市、南風原町などで持ち家を貸そうか迷っている方へ、主な5つのリスクと対策を分かりやすくお伝えします。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。住宅ローン、税金、契約、保険などの取扱いは、ご本人の状況や契約内容によって異なります。最終的には金融機関、税理士、保険会社、弁護士などの専門家へご確認ください。
まず結論|「家賃」ではなく、手元に残る金額で考えましょう
持ち家を貸すかどうかを判断するとき、大切なのは、募集家賃の金額だけを見るのではなく、次の費用を差し引いた後にいくら残るかを確認することです。
- 空室や家賃滞納による収入減
- 管理委託料や入居者募集の費用
- 固定資産税、火災・地震保険料
- 修繕費、設備交換費、原状回復費
- 住宅ローンなどの返済
- 所得税・住民税などの税負担
国税庁では、家賃などの収入は原則として不動産所得の収入となり、必要経費を差し引いて所得を計算すると案内しています。修繕費と資本的支出の区分など、判断が難しい項目もあるため、事前に税理士へ相談しておくと安心です。
リスク1|住宅ローンの契約条件や資金負担が変わる可能性
住宅ローンは、契約者本人やご家族が住むことを前提とした商品が一般的です。そのため、返済中の家を賃貸に出す場合は、入居者募集を始める前に、借入先の金融機関へ相談することが大切です。
転勤、介護、相続など事情によって取扱いは異なり、住宅ローンを継続できる場合もあれば、届出や承認、ローン商品の変更などが必要になる場合もあります。無断で賃貸に出すと、契約違反と判断されるおそれがあります。
なお、「必ず投資用ローンへ借り換える」「金利が必ず1~2%上がる」と一律には言えません。金融機関やローン商品、賃貸に出す理由によって判断が異なるため、先に確認しましょう。
備え方
- 借入先に「賃貸に出してよいか」を書面も含めて確認する
- 条件変更、手数料、金利、住宅ローン控除への影響を確認する
- 家賃が入らない月でも返済できる資金を準備する
リスク2|将来、家賃が下がる可能性
最初に設定した家賃で、ずっと貸し続けられるとは限りません。
建物の築年数、設備の古さ、駐車場の有無、周辺の新築物件、生活利便性などによって、募集家賃の相場は変わります。那覇市内でも、モノレール駅やバス停までの距離、駐車台数、学区、買い物のしやすさなどで、借り手からの評価は異なります。
また、家賃を上げたいと思っても、貸主の判断だけでいつでも自由に変更できるわけではありません。契約内容や法令を踏まえ、入居者との調整が必要です。
備え方
- 近隣の「募集中の家賃」だけでなく、成約が見込める家賃を調べる
- 現在の家賃に加え、家賃が下がった場合の収支も試算する
- 費用をかける修繕と、家賃に反映しにくい工事を見分ける
リスク3|老朽化や修繕費が増える可能性
建物や設備は、貸していても少しずつ古くなります。給湯器、エアコン、水回りなどが故障すれば、貸主側で修繕や交換が必要になる場合があります。
特に沖縄では、台風、強い日差し、塩害、湿気の影響を受けやすいため、屋上や外壁の防水、ひび割れ、金属部分のさび、窓回りからの雨水浸入などを定期的に確認したいところです。
民法上、貸主には、入居者が住むために必要な修繕を行う義務が原則としてあります。また、通常の使用による損耗や経年変化は、原則として借主へそのまま負担させるものではありません。
備え方
- 募集前に建物と設備を点検し、修繕の優先順位を決める
- 毎月の家賃から修繕用の資金を積み立てる
- 入居時の写真や設備の状態を記録し、契約書の負担区分を明確にする
- 台風前後に点検できる管理体制を整える
リスク4|空室中は家賃収入が入らない
賃貸募集を始めても、すぐに入居者が決まるとは限りません。退去後には、清掃や修繕、次の入居者募集に時間がかかることもあります。
空室中は家賃収入がゼロでも、住宅ローンの返済、固定資産税、保険料、管理費、草木の手入れなどの支出は続きます。家賃収入だけでローン返済を賄う計画にしていると、空室が長引いたときに家計を圧迫する可能性があります。
備え方
- 複数か月の空室を想定した収支をつくる
- 借り手が求める家賃、駐車場、設備、入居条件を確認する
- 募集方法や写真、内覧対応、条件見直しの時期を管理会社と決める
- 空室時にも支払える予備資金を用意する
リスク5|入居者対応や近隣トラブルが起きる可能性
賃貸では、家賃滞納、騒音、ごみ出し、ペット、駐車、設備故障、台風後の連絡など、さまざまな対応が必要になることがあります。
管理会社へ委託すれば多くの窓口業務を任せられますが、すべてを自動的に解決してもらえるわけではありません。修繕の判断や費用負担、契約解除など、最終的に貸主の判断が必要な場面もあります。
備え方
- 管理会社に任せる業務、費用、緊急時対応を契約前に確認する
- 入居審査、家賃保証、連帯保証、火災保険の内容を検討する
- 使用ルールや禁止事項を契約書で明確にする
- 原状回復は国土交通省のガイドラインも参考に、借主・貸主の負担を整理する
貸す前に確認したい7つのチェック項目
次の7点を確認すると、「貸してから困った」という事態を減らしやすくなります。
- 金融機関:住宅ローン中の賃貸が可能か
- 名義と権利関係:共有者や相続人など、必要な同意がそろっているか
- 手取り収支:空室、管理、修繕、税金を含めても資金が回るか
- 建物の状態:雨漏り、防水、設備、シロアリ、さびなどに問題がないか
- 契約方法:普通借家か定期借家か、将来戻る予定に合っているか
- 管理と保険:誰が連絡・点検・修繕を行い、保険で何を補えるか
- 出口の計画:5年後、10年後も保有するか、売却するか
将来、ご自身やご家族が再び住む予定がある場合は、契約期間満了で更新なく終了する「定期建物賃貸借」を検討できることもあります。ただし、書面による契約に加えて契約前の説明など、法律上の手続きが必要です。普通借家との違いを理解し、専門家へ相談して契約方法を選びましょう。
「貸す・売る・いったん保有」を比べて決めましょう
どの選択が合うかは、物件の状態、ご家族の予定、住宅ローン、必要な現金、管理できる期間によって変わります。
| 選択肢 | 向いているケース | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 貸す | 長期保有したい、将来戻る可能性がある、収支に余裕がある | 空室、修繕、管理、契約条件 |
| 売る | 管理負担を減らしたい、資金化したい、今後使う予定が薄い | 売却時期、諸費用、税金 |
| いったん保有 | 家族の方針が決まっていない、短期間で結論を出したくない | 空き家の管理費、劣化、防犯 |
空き家のまま保有する場合も、所有者には適切な管理が求められます。那覇市では「那覇市空家等の適切な管理及び対策の推進に関する条例」に基づく取組が進められています。使い道が決まっていないときも、建物を放置せず、定期的に状態を確認しましょう。
よくあるご質問
Q1.住宅ローンが残っていても貸せますか?
事情やローン商品によって取扱いが異なります。貸せる場合もありますが、無断で進めず、入居者募集の前に借入先へ確認してください。
Q2.管理会社へ任せれば、貸主は何もしなくてもよいですか?
日常の窓口業務は任せられますが、委託契約の範囲外の業務や、修繕費を伴う判断などは貸主の対応が必要です。業務内容と費用を契約前に確認しましょう。
Q3.修繕費はすべて入居者に負担してもらえますか?
いいえ。経年変化や通常の使用による損耗は、原則として貸主側の負担です。入居者の故意・過失などによる損傷とは分けて考えます。
Q4.入居者がいる状態でも売却できますか?
売却できる場合があります。ただし、購入者は賃貸借契約上の貸主の立場を引き継ぐことになり、空室の住宅とは買い手や価格の考え方が異なることがあります。
まとめ|リスクを知ることが、安心できる第一歩です
持ち家を貸すことには、家賃収入を得ながら資産を保有できる良さがあります。その一方で、次の5つは事前に確認しておきたいポイントです。
- 住宅ローンの契約条件や資金負担
- 家賃が下がる可能性
- 建物の老朽化と修繕費
- 空室による収入減
- 入居者対応や近隣トラブル
大切なのは、「貸せるか」だけでなく、無理なく貸し続けられるかを考えることです。
ビクトリー企画株式会社では、公認不動産コンサルティングマスターの吉富が、物件の状態やご家族の事情を伺いながら、「貸す・売る・保有する」を一緒に整理いたします。
「まだ決めていないけれど、比較だけしてみたい」という段階でも大丈夫です。どうぞお気軽にご相談ください。
次回も、不動産の売却や活用に役立つ情報を分かりやすくお届けします。
沖縄の不動産売買専門店
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公認不動産コンサルティングマスター
吉富 達宣
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(2026年10月現在)
参考にした公的情報
- 住宅金融支援機構:転勤などで一時的に住めなくなったとき(財形住宅融資)
- 国土交通省:賃貸住宅管理業者の業務
- 国土交通省:賃貸住宅標準契約書について
- 国土交通省:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
- 国土交通省:定期建物賃貸借Q&A
- e-Gov法令検索:民法
- 国税庁:不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
- 那覇市:那覇市空家等対策事業

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