
こんにちは。
那覇市の不動産売却専門店、ビクトリー企画株式会社の吉富です。
不動産の売却は、多くの方にとって一生に何度も経験することではありません。
そのため、
- いくらで売り出せばよいのか分からない
- 査定額が高い会社へ頼めばよいのか迷う
- 売却後に「もっと確認しておけばよかった」と後悔したくない
と不安になるのは当然のことです。
前回の「不動産売却の基礎知識2|査定価格の意味」では、査定価格は売却を保証する価格ではなく、周辺の成約事例や市場の動き、物件固有の条件などから算出する目安であることをお伝えしました。
今回は、その査定価格をどのように受け止め、どのように売却を進めればよいのかを、「後悔しないための5つのポイント」として整理します。
今回は前編として、特に大切な次の2点を詳しく解説します。
- 事前に周辺相場を調べておく
- 査定額の高さだけで不動産会社を決めない
ぜひ最後までお読みください。
売却価格に満足した人は37.6%という調査結果もあります
アットホーム株式会社が2015年に、5年以内に首都圏で自宅を売却した295人を対象に行った調査では、次のような結果が公表されています。
- 売却価格が当初の予定より安くなった人:54.2%
- 売却価格に満足している人:37.6%
- 自分で査定価格を調べた人:40.0%
- 売却のタイミングを研究した人:18.0%
さらに、市場の動向や売却のタイミングを事前に調べた人に限ると、売却価格に満足した人は58.5%でした。
この調査は2015年の首都圏を対象としたものであり、現在の那覇市の売却事情をそのまま示すものではありません。しかし、「売却前に価格や市場の動きを調べておくことが、納得できる売却につながりやすい」という点は、那覇市で不動産を売却するときにも参考になります。
出典:アットホーム株式会社「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」
不動産売却で後悔を減らす5つのポイント
不動産売却を始める前に、次の5つを整理しておきましょう。
- 事前に周辺相場を調べておく
- 査定額の高さだけで不動産会社を決めない
- 売却後の手取り額と最低希望額を決めておく
- 売り出す時期と売却期限を考える
- 内覧時の第一印象を整える
今回は、1と2について詳しくご説明します。3~5は次回の記事で取り上げます。
1.事前に周辺相場を調べておく
不動産会社へ相談する前に、ご自身でも周辺の価格を調べておくことをおすすめします。
これは、ご自身だけで査定価格を決めるためではありません。
相場の大まかな範囲を知っておけば、不動産会社から査定を受けたときに、
- なぜこの金額になったのか
- 相場と比べて高いのか、低いのか
- 売り出してから、どの程度の期間を想定しているのか
といった質問がしやすくなるためです。
売出価格と成約価格を区別しましょう
インターネットの不動産広告に掲載されている価格は、基本的に「売出価格」です。
一方、売主様と買主様が最終的に合意し、実際に取引した価格が「成約価格」です。
例えば、3,800万円で売りに出ているマンションが、必ず3,800万円で成約するとは限りません。価格交渉により3,700万円で成約することもあれば、販売が長期化して価格を見直すこともあります。
相場を調べるときは、現在の売出物件だけでなく、できるだけ過去の成約情報も確認することが大切です。
一般の方が利用できる2つの価格情報サイト
① REINS Market Information
REINS Market Informationは、指定流通機構が保有する成約情報をもとに、不動産取引価格を一般向けに提供しているサイトです。
マンションや戸建住宅について、地域、専有面積・建物面積、築年数などの条件を設定し、個人が特定されない形で成約情報を確認できます。沖縄県も検索対象になっています。
② 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
不動産情報ライブラリは、国土交通省が公開しているウェブサイトです。
不動産の取引価格・成約価格に加え、地価公示、都道府県地価調査、都市計画、防災情報、周辺施設などを確認できます。
公開情報だけで正確な査定ができるとは限りません
公開されている成約情報は、相場を知るための有用な参考資料です。ただし、所在地や個別条件の一部が加工されているほか、すべての取引が同じ条件ではありません。
那覇市のマンションであれば、同じ地域・同じ広さでも、
- 築年数
- 階数・方角・眺望
- 角部屋かどうか
- 室内の状態やリフォーム履歴
- 管理状態
- 駐車場を承継できるか
- モノレール駅や生活施設までの距離
などによって価格が変わります。
土地や戸建住宅であれば、
- 前面道路の幅員と接道状況
- 土地の形、間口、高低差
- 用途地域、建ぺい率、容積率
- 境界や越境の有無
- 再建築の可否
- 建物の状態や解体の必要性
なども確認しなければなりません。
したがって、インターネットで調べた平均単価に面積を掛けるだけでは、個別の不動産の価格を正確に判断することはできません。
ご自身で調べた相場は「答え」ではなく、不動産会社の査定内容を確認するための目安として活用しましょう。
2.査定額の高さだけで不動産会社を決めない
複数の不動産会社へ査定を依頼すると、会社によって査定額が異なることがあります。
例えば、
- A社:3,300万円
- B社:3,500万円
- C社:3,900万円
という結果になれば、最も高いC社へ依頼したくなるかもしれません。
しかし、査定額は、その不動産会社がその金額で買い取ることや、その金額で必ず売れることを約束するものではありません。
高い査定額にも、十分な成約事例や物件固有の強みなど、具体的な根拠があれば問題ありません。一方で、根拠や販売計画がはっきりしないまま高値で売り出すと、問い合わせが少なく、後から値下げを重ねる可能性があります。
そのため、大切なのは「査定額が一番高いか」ではなく、**「その査定額に納得できる根拠があるか」**です。
不動産会社には査定額の根拠を説明する義務があります
国土交通省の標準媒介契約約款では、宅地建物取引業者が媒介価額について意見を述べるときは、根拠を示して説明することとされています。
査定書を受け取ったら、少なくとも次の点を確認しましょう。
- どの成約事例を参考にしたのか
- 現在の競合物件はいくらで売り出されているのか
- 物件のプラス要因とマイナス要因は何か
- 査定価格と売出価格をそれぞれいくらと考えるのか
- どの程度の販売期間を想定しているのか
- どのような広告・販売活動を行うのか
- 反響が少ない場合、いつ、どのような根拠で価格を見直すのか
- 諸費用を差し引いた後、手元にいくら残る見込みか
具体的な資料を示しながら説明してくれる会社であれば、売主様も判断しやすくなります。
査定価格・売出価格・成約価格は別のものです
混同しやすい3つの価格を整理すると、次のようになります。
| 価格 | 意味 |
|---|---|
| 査定価格 | 成約事例、市場動向、物件条件などから不動産会社が算出した価格の目安 |
| 売出価格 | 査定結果と売主様の希望、売却期限、販売戦略を踏まえて決める広告価格 |
| 成約価格 | 売主様と買主様が最終的に合意した取引価格 |
例えば、査定価格が3,500万円でも、「時間をかけて高値を目指したい」というご希望から、3,680万円で売り出すことがあります。
反対に、住み替えや相続手続きなどで売却期限が決まっている場合には、買主様から反応を得やすい価格を検討することもあります。
売却の目的によって、適した売出価格と販売方法は変わります。
媒介契約は3種類|ご事情に合わせて選びます
不動産会社へ仲介を依頼するときに結ぶ契約を「媒介契約」といいます。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
| 媒介契約 | 複数社への依頼 | 売主様が見つけた相手との直接契約 | レインズ登録 | 販売状況の法定報告 |
| 一般媒介 | できる | できる | 原則として義務なし | 原則として義務なし |
| 専任媒介 | できない | できる | 義務あり | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | できない | できない | 義務あり | 1週間に1回以上 |
どの契約が一律に優れているということではありません。
- 複数の会社へ依頼したい
- 窓口を一社にまとめたい
- ご自身で買主様を見つける可能性がある
- 販売活動の報告を定期的に受けたい
など、売主様の状況や希望によって適した契約は変わります。
また、仲介手数料の法定上限は、一般・専任・専属専任という媒介契約の種類だけで変わるものではありません。
専任媒介契約または専属専任媒介契約で物件がレインズへ登録された場合、売主様は不動産会社から交付される登録証明書のURL・ID・パスワードを使い、売主専用画面で登録内容や取引状況を確認できます。
契約名だけで決めるのではなく、違いと販売方針について説明を受け、納得したうえで選びましょう。
那覇市の不動産売却では「地域性」と「個別性」が重要です
那覇市は市域が比較的コンパクトですが、地域ごとに不動産需要が異なります。
中心市街地、モノレール沿線、新都心周辺、首里の高台、古くからの住宅地などでは、購入を検討する方の目的や重視する条件が同じではありません。
また、沖縄では車を利用する方が多いため、駐車場の台数や出入りのしやすさが価格や売れやすさに影響する場合があります。土地や戸建住宅では、接道、高低差、擁壁、境界、越境、再建築の条件なども重要です。
したがって、単に「那覇市の平均価格」だけを見るのではなく、近隣の成約事例と、その不動産ならではの条件を一つずつ確認することが大切です。
よくある質問
Q.一番高い査定額を提示した会社へ依頼してはいけませんか?
高い査定額だから悪いということではありません。
ただし、その金額に至った成約事例、物件の強み、想定する販売期間、価格を見直す条件まで確認しましょう。金額と根拠をセットで比較することが大切です。
Q.自分で調べた相場と不動産会社の査定額が違うのはなぜですか?
公開情報では分からない階数、眺望、道路、境界、建物状態などの個別条件や、現在の競合物件、地域の需要を査定へ反映している可能性があります。差が出た理由を具体的に説明してもらいましょう。
Q.売出価格は売主が自由に決められますか?
最終的な売出価格は売主様が判断します。ただし、市場から大きく離れた価格では販売が長期化することがあります。希望価格、売却期限、手取り額を整理し、不動産会社の根拠ある助言を受けて決めることをおすすめします。
Q.一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のどれが一番よいですか?
一律の正解はありません。複数社へ依頼したいのか、一社に販売を任せたいのか、ご自身で買主様を見つける可能性があるのかなどによって選択が変わります。各契約の違いと販売計画を確認したうえで決めましょう。
Q.査定を依頼したら、必ず売却しなければなりませんか?
査定を受けたからといって、直ちに売却を決める必要はありません。査定価格の根拠や売却後の手取り額を確認し、ご家族の意向や今後の暮らしも含めて検討することが大切です。
まとめ|査定額の高さより、根拠と販売計画を確認しましょう
今回のポイントをまとめます。
- 売却前に周辺の売出価格と成約価格を調べる
- 公開情報は相場を知るための目安として使う
- 那覇市では地域性と物件固有の条件を確認する
- 査定額が高いという理由だけで不動産会社を選ばない
- 査定価格、売出価格、成約価格の違いを理解する
- 査定額の根拠、販売期間、広告方法、価格見直しの方針を確認する
- 媒介契約は売主様の事情と希望に合わせて選ぶ
- 売却価格だけでなく、諸費用を差し引いた手取り額まで確認する
不動産売却で大切なのは、単に一番高い価格を目指すことだけではありません。
「いつまでに売りたいのか」
「売却後にいくら必要なのか」
「売った後、どのような暮らしをしたいのか」
まで整理しておくことで、ご自身とご家族に合った売却方法が見えてきます。
次回は、残りの3つ、
- 売却後の手取り額と最低希望額を決めておく
- 売り出す時期と売却期限を考える
- 内覧時の第一印象を整える
について解説します。
ビクトリー企画株式会社では、査定額だけをお伝えするのではなく、周辺の成約事例、現在の競合物件、物件固有の条件を調査し、査定の根拠と販売方針を丁寧にご説明します。
那覇市で土地、戸建住宅、マンション、相続不動産、空き家、収益物件の売却をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
不動産は、売る前と「売った後」が大事です。
沖縄の不動産売買専門店
ビクトリー企画株式会社
代表取締役 吉富 達宣
公認 不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
不動産エバリュエーション専門士
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※本記事は2026年8月現在の公表情報をもとに、一般の方向けに分かりやすく整理したものです。個別の査定価格、売却期間、税金、諸費用などは、物件の条件やご事情によって異なります。

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